生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第31回 一部の人達の権利の主張が他の人達の権利を相対的に奪う?(人類階層:法律、歴史)

コト「個人の権利は他の個人の権利とぶつかることがありえるんだよね?」博士「そうだね」 コト「権利のぶつかり合いが争いを生むんだよね?」博士「そうなるね」 コト「じゃあ、争いは避けられないの?」博士「人権はそもそも絶対的な権力者から身を守るた…

第30回 紛争を生じさせるためには?(人類階層:法律、歴史)

コト「戦争をやめさせるためにはどうしたらいいの?」博士「難しい質問だね」 コト「やっぱり?」博士「逆に、どうしたら争いを生じさせることができるのか考えてみようか」 コト「うん」博士「権利をばらまけばいいんだよ」 コト「そんな単純なこと?」博士…

第29回 戦争の種類にはどんなものがあるの?(人類階層:歴史)

コト「戦争はどうやって起こるの?」博士「王や諸侯が支配地域を拡大すべく戦争を起こすことが多いね」 コト「要するに権力者のエゴってこと?」博士「はっきり言うね。でもだいたいそんなところだね」 コト「例えば?」博士「アレキサンダー大王やモンゴル…

第28回 歴史的に実施された仲たがいをさせる方法とは?(人類階層:歴史)

コト「歴史上も仲たがいすることはあるの?」博士「うん。例えば、分割統治により仲たがいをさせることがあるよ」 コト「分割統治って何?」博士「古代ローマ帝国は、支配地域を植民市、自治市、同盟市のようにランク付けしてわざと差をつけて統治したんだ」…

第27回 法律的な争いはどんなもの?(人類階層:法律)

コト「人間同士の争いはどういう形で起こるの?」博士「権利が衝突すると起こるよ」 コト「そうなの?」博士「例えば、二重譲渡というものがあるんだ」 コト「二重譲渡?」博士「AさんがBさんにチケットを売る約束をする」 コト「うん」博士「AさんはCさ…

第26回 生物界の争いはどんなもの?(生命階層:生物学)

コト「生物の争いはどんなときに起こるの?」博士「食物連鎖の上位の生物は下位の生物を食べるよ」 コト「例えば?」博士「ライオンはカモシカを捕まえて食べるね」 コト「同じ種族の場合には?」博士「同じ種族の生物同士は縄張り争いをするね」 コト「例え…

第25回 人権は歴史的にどう生まれたのか?(人類階層:法律、歴史)

コト「人権という考え方はどうやって生まれたの?」博士「イングランドの貴族達がジョン王にマグナカルタをつきつけたことが人権のはじまりだと考えられているよ」 コト「マグナカルタって何?」博士「ジョン王の権限を制限するための法律だよ」 コト「どん…

第24回 人権は生物界に存在しない?(生命階層:生物学)

コト「生物学の世界に人権はあるの?」博士「そんなものはないよ。生物界は弱肉強食の世界だ」 コト「うん」博士「カモシカがライオンに生存権を主張したらライオンはカモシカを食べないと思うかい?」 コト「全く思わない」博士「権利は人間が勝手に生み出…

第23回 人権は物質世界に存在しない?(物質階層:物理学)

コト「物理学の世界に人権はあるの?」博士「そんなものはないよ。自然界にある4つの力はいずれも人権を創造しない」 コト「そうなの?」博士「物理法則は異なる座標系でも同じように働く」 コト「どういうこと?」博士「地球からの万有引力は国や地域によ…

第22回 「幸福」は科学的にどう定義されるの?(人類階層:脳科学)

コト「幸せってどういうこと?」博士「脳科学的には幸福を司る神経伝達物質が分泌されているときに幸せを感じるよ」 コト「また神経伝達物質?」博士「幸せを司る神経伝達物質は主にセロトニン、オキシトシン、ドーパミンが挙げられる」 コト「セロトニンっ…

第21回 「愛」は人間社会に存在する?(人類階層:脳科学)

コト「じゃあ、人にとって愛って何?」博士「難しい質問だね」 コト「やっぱり?」博士「人間も生物だから男性と女性が惹かれ合って子供をつくる」 コト「でも誰でもいいってわけじゃないよね?」博士「相手によって分泌される神経伝達物質の種類や量が違う…

第20回 「愛」は生物界に存在する?(生命階層:生物学)

コト「生物学で愛とはどういうことなの?」博士「生物一般に愛という概念があるかどうかは分からない」 コト「うん」博士「ただ、お互いに与え合う関係は存在するよ」 コト「例えば?」博士「細胞とミトコンドリアの関係があるよ」 コト「どんな関係なの?」…

第19回 「愛」は物質世界に存在する?(物質階層:物理学)

コト「愛って物理学で扱うことができるの?」博士「そのままでは愛を定義することはできないよ。だけど愛を『結びつき』と考えると扱うことができるよ」 コト「そうなの?」博士「物理的には束縛状態と言うんだ」 コト「束縛状態?」博士「ざっくり言うと2…

第18回 経済的に不平等な社会は問題なの?(人類階層:歴史)

コト「経済的に不平等な社会だと何か問題があるの?」博士「歴史的上、革命が起こることがあったんだよ」 コト「革命って何?」博士「一般市民が国王などの支配者層を打ち倒すことだよ」 コト「大きな格差があると革命が起こるの?」博士「歴史的には、重税…

第17回 貢献に対する報酬は必要なの?(人類階層:法律)

コト「共産主義だと、がんばった人にご褒美をあげることはできないの?」博士「できないよ。平等に分配しないと共産主義じゃなくなっちゃうからね」 コト「うん」博士「がんばった人にはご褒美をあげたいよね」 コト「そうだね」博士「そのために例えば、特…

第16回 経済的な平等は成り立たない?(人類階層:法律、歴史)

コト「経済的に平等な社会は存在するの?」博士「共産主義や社会主義はそういう考え方だね」 コト「共産主義はどういうものなの?」博士「財産が個人の所有でなくみんなの共有にする体制だよ」 コト「じゃあ、社会主義は?」博士「財産は国の所有でみんなが…

第15回 機会が平等だと結果は平等にならない?(人類階層:法律)

コト「やっぱり人間社会で平等を目指すことは難しいの?」博士「人それぞれDNAが違うからね」 コト「やっぱり難しいんだね?」博士「うん。能力、寿命、美醜、環境、運の違いから結果は平等にはならないよ」 コト「経済的な格差は必然的にできてしまうの…

第14回 「平等」は人間社会に存在しない?(人類階層:行動遺伝学)

コト「人間の世界に平等はあるの?」博士「人間は他の生物と同様にDNAを持っている」 コト「そうだね」博士「他の生物と同様に人間のDNAは人それぞれ異なっている」 コト「うん」博士「だから平等は成り立たないよ」 コト「身も蓋もない答えだね」博士…

第13回 「平等」は生物界に存在しない?(生命階層:生物学)

コト「生物の世界に平等はあるの?」博士「生物はDNAをもっているよね?」 コト「そうだね」博士「生物の個体にはDNAに由来する違いが既に埋め込まれている」 コト「平等とは言い難いのね?」博士「有性生殖する生物は特にね」 コト「有性生殖する生物…

第12回 「平等」は物質世界に存在しない?(物質階層:物理学)

コト「物質の世界に平等はあるの?」博士「平等な粒子と平等じゃない粒子があるよ」 コト「平等な粒子って何?」博士「ボーズ粒子だよ。ボーズ粒子は物理的に同じ状態をとることができる。もちろん、物理的に異なる状態をとることもあるよ」 コト「ボーズ粒…

第11回 「自由」は人間社会に存在しない?(人類階層:法律)

コト「人間も完全に自由には生きられないの?」博士「自由というのは外界から切り離されることだからね」 コト「うん」博士「人間にとって自由という状態は水も食料も得られないことなんだよ」 コト「死んじゃうのね」博士「だから、人間にとって完全な自由…

第10回 「自由」は生物界に存在しない?(生命階層:生物学、化学)

コト「生物は自由に生きているように感じるけど」博士「そう思うかい?」 コト「自由じゃないの?」博士「生物が生きるためには外界からエネルギーを取り入れる必要があるんだよ」 コト「前に聞いた気がする」博士「植物は光合成するし、根から水と栄養素を…

第9回 「自由」は物質世界に存在しない?(物質階層:物理学、化学)

コト「もっと自由に生きたいな~」博士「十分自由に生きているでしょ」 コト「失礼ね」博士「自由っていうのはなかなか厳しいことだよ」 コト「科学的には自由ってどういうことなの?」博士「物理的には、他の粒子から影響を受けないことだよ」 コト「うーん…

第8回 「存在する」とは人間社会においてどういうこと?(人類階層:歴史)

コト「人間も生死によらず物質として存在しているってこと?」博士「物質的には生死を問わず存在しているね」 コト「じゃあ、人間も生物も同じなんだね?」博士「そうだね」 コト「人間も外界からエネルギーを取り入れて生きているんだね?」博士「そうだよ…

第7回 「存在する」とは生物界においてどういうこと?(生命階層:生物学、化学)

コト「生物は存在するって言えるの?」博士「生きていても死んでいても物体としては存在する」 コト「生きている生物と死んでいる生物は同じってこと?」博士「さすがに違うね」 コト「じゃあ、何が違うの?」博士「生きている生物は外界からエネルギーを取…

第6回 「存在する」とは物理的にどういうこと?(物質階層:物理学)

コト「あーあー」博士「どうしたの?」 コト「大好きなチョコレート、もう食べ終わっちゃった」博士「そりゃ、食べてしまえばなくなるでしょ」 コト「なんとかして取り戻せないかな」博士「無理でしょう。もう存在しないんだから」 コト「存在するってどうい…

第5回 生物にできることは2つだけ?(生命階層:生物学)

コト「生物は寿命が尽きること以外でも死ぬんだよね?」博士「そうだね。他の生物に食べられて死んだり、事故に遭って死ぬんだよ」 コト「生物はいずれは死ぬのね」博士「そうだね。生物にできることは2つある」 コト「1つ目は?」博士「命がある限り生き…

第4回 寿命を手放したから生物は人類に進化した?(生命階層:生物学)

コト「無性生殖する生物は細胞分裂で増えるんだよね」博士「そういうことが多いね。あとは単独で発芽する生物もあるよ」 コト「有性生殖する生物は雄のDNAと雌のDNAから子供をつくるんだよね?」博士「だいたい分かってきたようだね」 コト「無性生殖…

第3回 進化って何?(生命階層:生物学)

コト「進化って何?」博士「コロナウイルスのようにRNA(リボ核酸)を持つウイルスで説明しよう」 コト「うん」博士「ウイルスはRNAをコピーすることにより増えるんだ」 コト「聞いたことある」博士「コピーは完全じゃなくて小さい確率でミスをする」 …

第2回 生物はどうやって増えるの?(生命階層:生物学)

コト「生物はどうやって増えるの?」博士「無性生殖か有性生殖によって増えるよ」 コト「無性生殖ってどんなものなの?」博士「多くの場合、細胞分裂で増えるね」 コト「どんな生物が無性生殖をするの?」博士「アメーバやミドリムシがいるね」 コト「無性生…