生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第11回 「自由」は人間社会に存在しない?(人類階層:法律)

 

コト「人間も完全に自由には生きられないの?」
博士「自由というのは外界から切り離されることだからね」

 

コト「うん」
博士「人間にとって自由という状態は水も食料も得られないことなんだよ」

 

コト「死んじゃうのね」
博士「だから、人間にとって完全な自由は存在しないのと同じなんだよ」

 

コト「じゃあ、水や食料が得られる程度の自由だったら生きられるの?」
博士「社会的に自由ってことは周囲の何者とも関わりを持たないことなんだよ」

 

コト「悲しい生き方だね」
博士「自由というのは周りから影響を受けないということだからね

 

コト「うーん」
博士「社会と接点を持った段階でその人は社会と影響を与え合う。物を買ったり、人と話したり、とかもそう」

 

コト「無人島で狩りをして生きればいいの?」
博士「それはかなり自由に近いね」

 

コト「そんなシチュエーションにはならないでしょう?」
博士「物理的には自由というのは構造をつくらないんだよ。人間でいうと社会を形成しない

 

コト「うん」
博士「人間の社会でいうところの自由とは法律なんかの社会のルールに縛られないことだともいえる」

 

コト「規則からはみ出すことが自由ってこと?」
博士「そういうことになるね。人々が国や社会を構成するということは、自由を代償にすることなんだ

 

コト「でも、自由を奪われすぎると息苦しいよ」
博士「それはそうだね。人々が自由に振る舞いすぎれば社会という構造は崩壊する。人々が自由を奪われすぎれば人々は窒息する」