生き方を科学する

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第25回 人権は歴史的にどう生まれたのか?(人類階層:法律、歴史)

コト「人権という考え方はどうやって生まれたの?」
博士「イングランドの貴族達がジョン王にマグナカルタをつきつけたことが人権のはじまりだと考えられているよ」

 

コト「マグナカルタって何?」
博士「ジョン王の権限を制限するための法律だよ」

 

コト「どんなことが書かれていたの?」
博士「国王であっても法律に従うことや議会を尊重することなんかが書かれているよ

 

コト「それまでは王様は好き放題やっていたということ?」
博士「ジョン王は特にね」

 

コト「その後はどうなったの?」
博士「フランス革命のときにフランス人権宣言が起草されたんだよ」

 

コト「どんなことが書かれていたの?」
博士「まずは自由だね。言論の自由表現の自由が書かれているよ。自由は他の人を害しない範囲で認められることが書かれているんだ

 

コト「他には何が書かれているの?」
博士「権利の平等だよ

 

コト「なんでも平等ってことじゃないのね?」
博士「そうだね。権利においての平等であって、結果の平等ではないんだ

 

コト「他には何が書かれているの?」
博士「主権は国民にあること国王に抵抗する権利があることが書かれているよ」

 

コト「王様に抵抗する権利を認めているんだね」
博士「絶対的な権力を振るう国王に対抗する形で人権は誕生したんだ。マグナカルタも王の権限を制限するためのものだったしね」

 

コト「人権は王様から国民を守るための盾なんだね」
博士「そうだね。現代の先進国には国王のような絶対的な権力者はほとんどいないけどね」

 

コト「じゃあ人権の意義は薄れていくんじゃないの?」
博士「うん。だけど実際には、人権を主張する人は便利な権利を振りかざす相手を探しているように思えるね」

 

コト「そうだね」
博士「攻撃を受ける側も人権を持っているはずなんだけどね

 

コト「うん」
博士「歴史的経緯に照らすと、人権は絶対的な権力者から一般市民を守るための盾であって、一般市民に対して振りかざして攻撃するための武器ではないんだよ