生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第4回 寿命を手放したから生物は人類に進化した?(生命階層:生物学)

コト「無性生殖する生物は細胞分裂で増えるんだよね」
博士「そういうことが多いね。あとは単独で発芽する生物もあるよ」

 

コト「有性生殖する生物は雄のDNAと雌のDNAから子供をつくるんだよね?」
博士「だいたい分かってきたようだね」

 

コト「無性生殖する生物と有性生殖する生物の違いをもっと教えて」
博士「無性生殖だと親のDNAと子のDNAがほとんど同じなんだよ」

 

コト「次の世代になってもDNAが変化しづらいんだね」
博士「そうだね。だから、アメーバのように単純な構造の生物しか生まれない

 

コト「有性生殖だとどうなの?」
博士「有性生殖だと雄のDNAと雌のDNAが交じり合うから、DNAの多様性が生まれやすい」

 

コト「いろんな生物が誕生しやすいということ?」
博士「うん。有性生殖する生物は進化に有利だと考えられる

 

コト「そうなんだ」
博士「動物のような複雑な構造を持った生物も生まれやすい

 

コト「アメーバのような生物が植物や動物に進化したの?」
博士「そうだね。生物が有性生殖するようになって多細胞生物が誕生する。そして、植物や動物などの真核生物は細胞分裂の度に短くなるテロメアをもっているんだ

 

コト「うん」
博士「そして動物がさらに進化した結果、人類が誕生したんだ」

 

コト「そうなんだね!」
博士「人間にはなぜ寿命があるんだろうという疑問があるかもしれない」

 

コト「うん」
博士「でも逆なんだよ」

 

コト「どういうこと?」
博士「雄と雌が次世代を残して個体は寿命により死んでいく。だからこそ生物は進化するんだ。その進化の結果、人類が誕生したんだよ」

 

コト「無限の寿命を手放したからこそ、私たち人間が存在するっていうこと?
博士「そういうことになるね」