生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第14回 「平等」は人間社会に存在しない?(人類階層:行動遺伝学)

コト「人間の世界に平等はあるの?」
博士「人間は他の生物と同様にDNAを持っている」

 

コト「そうだね」
博士「他の生物と同様に人間のDNAは人それぞれ異なっている」

 

コト「うん」
博士「だから平等は成り立たないよ

 

コト「身も蓋もない答えだね」
博士「DNAの違いにより個人の能力は違うよね。遺伝の影響もあるし

 

コト「遺伝の影響はどうやって調べるの?」
博士「一卵性双生児と二卵性双生児を比較するんだよ」

 

コト「へー」
博士「そして、遺伝共有環境非共有環境の影響の度合いを比較するんだ」

 

コト「その結果は?」
博士「項目によるけど、個人の能力は主に遺伝と非共有環境の大きいことが分かってきている」

 

コト「シビアなんだね」
博士「人間は能力、寿命、美醜、経済力、ありとあらゆる要素をもっている」

 

コト「うん」
博士「それらは人によって違うんだよ。そもそもDNAが違うからね。さらに運という要素もある」

 

コト「そうだね」
博士「全員に対してそれらを共通の値にすることなんて不可能なんだ

 

コト「うん」
博士「自然界は平等を支持していないし目指してもいない

 

コト「そうだったね」
博士「それなのに経済的な平等だけ掲げられることがある。能力、寿命、美醜、その他の要素は平等にならないのにね