コト「生物学で愛とはどういうことなの?」
博士「生物一般に愛という概念があるかどうかは分からない」
コト「うん」
博士「ただ、お互いに与え合う関係は存在するよ」
コト「例えば?」
博士「細胞とミトコンドリアの関係があるよ」
コト「どんな関係なの?」
博士「細胞がミトコンドリアに有機物と酸素を与えて、ミトコンドリアが細胞にエネルギー源であるATPを与えるんだよ」
コト「お互いに違うものを与え合うんだね」
博士「うん。細胞もミトコンドリアもお互いがいないと生きていくのが難しい」
コト「うん」
博士「こういう関係を共生というんだ」
コト「与え合う関係は他にもあるの?」
博士「有性生殖する場合にも雄のDNAと雌のDNAは交じり合うね」
コト「雄のDNAだけでも子供はできないし、雌のDNAだけでも子供はできないのね」
博士「雄も雌も単独では子供をつくることができない」
コト「それはそうだね」
博士「お互いにかけがえのない関係だともいえる」
コト「なんだか共生みたいだね」
博士「雄と雌は本来与え合う関係にあるんだよ」