生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第30回 紛争を生じさせるためには?(人類階層:法律、歴史)

コト「戦争をやめさせるためにはどうしたらいいの?」
博士「難しい質問だね」

 

コト「やっぱり?」
博士「逆に、どうしたら争いを生じさせることができるのか考えてみようか

 

コト「うん」
博士「権利をばらまけばいいんだよ

 

コト「そんな単純なこと?」
博士「権利は人間が生み出した概念だ。だから不完全なんだよ」

 

コト「うん」
博士「それに対して自然法則は完璧だ。もしくは完璧に近い」

 

コト「何か力が入っているよ」
博士「惑星は他の星からの重力に従って運行する」

 

コト「うん」
博士「同じ座標に2つの惑星が同時に重なって存在することはできない。衝突してしまうんだ」

 

コト「そうだね」
博士「衝突後に1つの天体になるか、2つ以上の天体に分離することが起こりえる」

 

コト「そうなんだね」
博士「これは自然法則に従う自然現象であって矛盾があるわけではないんだ」

 

コト「うん」
博士「けれど、権利は違うんだよ」

 

コト「天体とは違うと言いたいの?」
博士「同じところに2つ以上の権利が発生することがある。権利は重なった状態で存在することがあるんだよ。抵触というんだ」

 

コト「例えば?」
博士「例えば、王位継承権であったり、1枚しかないチケットだよ」

 

コト「複数の人間が同じ土地を欲しがったり?
博士「そういうことだね。権利がぶつかりあった状態で存在すると、争いが起きるんだよ

 

コト「2つ以上の権利が重なると争いの火種になるんだね
博士「しかも、権利は目でみることができない。知らず知らずのうちに争いの火種があちこちにあるという事態も起こりえるんだよ」