生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第33回 命に価値はあるのか?(人類階層:思想)

コト「学校では命が大事って教えられるよ」
博士「そうだね。そう教育されるね」

 

コト「でも人間はいつか死んじゃうんだよね?」
博士「そうだね」

 

コト「いつか必ず死ぬのに命は大事なの?
博士「難しい質問だね」

 

コト「やっぱり?」
博士「生物にできることは2つある。1つ目は生き抜くこと。2つ目は子孫を残すこと

 

コト「うん」
博士「そうやって古い個体が死に、世代が交代することによって生物は進化してきた

 

コト「うん」
博士「物質の世界でも生物の世界でも、その存在を証明するのは相互作用なんだ」

 

コト「ちょっと分かりにくいよ」
博士「物質や生物は、まわりに何らかの影響を与えるから、その存在を証明できるんだよ

 

コト「それならなんとなく分かるよ」
博士「これらの客観的事実から、命自体に価値があるわけじゃないと考えることもできるよ」

 

コト「じゃあ、何が大事なの?」
博士「生物にとって大事なのは生きている間の時間だよ

 

コト「少し言い換えただけのような気もするよ」
博士「そうかもね。さらに言えば、人間にとって生きている間に何を成し遂げたのかが大事なんだよ

 

コト「そうなの?」
博士「人間は自然界や社会といった外界と相互作用することができる」

 

コト「それが人間が存在するということ?」
博士「そうだね。自然界や社会にどんな影響を与えたかがその人間の存在を示すんだ

 

コト「うん」
博士「自然界や社会にどんな影響を与えたのか、それが人間が生きる意義なんだと考えることができるんだよ」

 

コト「ちょっと話が大きすぎるよ」
博士「社会といっても家族や友人であってもいいんだよ