生き方を科学する

物理の専門家が科学と哲学を融合します

第39回 自然界に自由はない?(人類階層:思想)

コト「自由は存在するの?」
博士「物質世界に自由は存在しない

 

コト「うん」
博士「物質の世界では粒子として存在すると相互作用してしまうんだ

 

コト「そうだったね」
博士「自由は外界から影響を受けないことなんだ。粒子は重力などの何らかの力を受けることになる

 

コト「うん」
博士「だから完全に自由な粒子は存在しない。物質は粒子で構成されるから自由な物質も存在しない」

 

コト「生物だと?」
博士「生物は光合成または呼吸をして生命を維持しているんだ」

 

コト「そうだね」
博士「自由は外界から影響を受けないことなんだ。それは外界から切り離されることを意味している。外界と切り離されると生物は光合成も呼吸もすることができなくなってしまう

 

コト「うん」
博士「生物界では自由は死を意味するんだ

 

コト「人間もそうなの?」
博士「そうだね。人間も社会から売買などのコミュニケーションをすることができないと多くの場合死んでしまうね

 

コト「そうだね」
博士「この世界に存在する以上、物質も生物も何らかの形で外界とつながっているんだ。それを愛というのかもしれない。けれど、代わりに完全な自由は失われるんだよ

 

コト「いいこともあるけど大変なことでもあるんだね」
博士「無制限な自由は存在しない。でも、フランス人権宣言にあるように、他の人を害しないのであれば、誰かに強制されることはないという意味での自由はあるんじゃないかな」